Netflix版『ガンニバル』シーズン1〜2全話あらすじと結末ネタバレまとめ

「人が喰われている──」
そんな信じがたい噂が、山奥の閉鎖的な村で囁かれていた。
Netflixで配信されたドラマ版『ガンニバル』は、その不穏な導入から一気に視聴者を引き込みました。

原作は、二宮正明による同名漫画。サスペンス・スリラーとしてだけでなく、「人間とは何か」「家族とは」「信じるとは」といった問いを深く投げかけてくる異色の傑作です。

本記事では、シーズン1からシーズン2までの全話のあらすじと結末を、ネタバレありで丁寧にまとめました。
「もう一度整理したい」「見逃した部分を補完したい」「結末だけ先に知っておきたい」という方に向けて、徹底的に解説していきます。

Netflix版『ガンニバル』とは？

原作とドラマ版の違い

原作は2018年から2021年まで『週刊漫画ゴラク』で連載されていたサスペンス漫画。
一方、Netflix版『ガンニバル』はディズニープラスで独占配信され、2022年にシーズン1、2024年にシーズン2が公開されました。

物語の大筋は原作に忠実ですが、ドラマ版では映像表現のスリルと心理戦に特化し、キャラクターの心情描写により深みが増しています。
原作ファンにも新鮮な驚きを与える仕掛けが多く、“読んでいても展開が読めない”という声も多く聞かれました。

キャストと配信情報

主演の阿川大悟を演じるのは柳楽優弥。不器用だが信念のある男として、観る者の心を掴みました。
他にも、吉岡里帆（阿川有希役）、笠松将（後藤恵介役）など実力派が脇を固め、演技力と緊迫感のある演出がドラマ全体を引き締めています。

配信はディズニープラス「スター」で全話独占。
各シーズンともに7〜8話構成で、一気見したくなる中毒性が魅力です。

シーズン1の全話あらすじとネタバレ結末

第1話〜第3話：供花村の闇と噂

「人が喰われている」──それは転任早々、阿川大悟が耳にした不可解な噂。
彼は、前任の駐在・狩野が突如姿を消した理由と、後藤家という名家の異様な存在感に、ただならぬものを感じます。

やがて見つかる老婆・後藤銀の遺体。歯形が残る傷、焼却された遺体の一部……それは事故ではなく、「食べられた形跡」を物語っていました。
一方で、娘のすみれは「父は後藤家に殺された」と語り、彼女の勇気ある行動が村の秘密に一石を投じていきます。

第4話〜第5話：祭りと告白、真実への手がかり

村の伝統行事「供花祭」で起こる異変。
祭りに紛れて後藤家が何かを隠していることを察した大悟は、必死に村の住人たちと対話を重ねますが、「よそ者には分からない」という目にさらされ続けます。

そんな中、恵介との対話が徐々に核心に迫っていき、「この村では人が人を喰っている」という恐るべき真実が浮かび上がってきます。
それでもなお、村人たちは後藤家に従属し続ける。その歪んだ構造の中に、大悟は絶望しかけるのです。

第6話〜第7話：対決と選択、シーズン1の結末

大悟はついに後藤家の根城に踏み込み、子どもたちが閉じ込められていた“檻”の存在を発見します。
しかし、その檻は空。そして、大悟自身も後藤家の人間に襲撃され、命の危機に晒されます。

命を賭して守ろうとする「ましろ」の存在、そして愛する妻・有希の声が、彼の背中を押す──。
大悟は恵介に銃口を向けるが、撃つことはできなかった。
「この村を終わらせるには、誰かが“人間”でい続けなければならない」──彼の決断が、物語の鍵となります。

シーズン2の全話あらすじとネタバレ結末

第1話〜第4話：警察介入と後藤家の崩壊

シーズン2は、後藤家への警察の家宅捜索から幕を開けます。
大悟は後藤家の内部から協力者を得て、生贄にされていた子どもたちの所在を突き止めますが、時すでに遅し。檻はもぬけの殻、そして突如現れる“あの人”──白銀。

圧倒的な暴力と存在感を持つ白銀に翻弄されながらも、大悟は子どもたちを守ろうと奔走します。
一方、恵介は父・清に反旗を翻し、後藤家の“伝統”そのものと対峙する覚悟を決めるのです。

第5話〜第6話：過去の因習と供花村の起源

物語は一転、1949年の供花村へ──。
若き日の後藤銀、そして神山正宗の過去が描かれ、“人喰い”の風習の起源が明かされていきます。

生贄にされた銀は、山奥に住む人喰い一族“カシハベ”に拾われ生き延び、後に息子・白銀をもうけます。
この章は、現在に続く“呪い”の系譜を描くだけでなく、「人が人を喰らうこと」が象徴する絶望と、その中でも失われなかった“愛”の断片を浮かび上がらせます。

第7話〜第8話：白銀との戦いと村の未来

大悟と恵介は、囚われたましろを救うため、白銀のもとへと向かいます。
決着の地は、洞窟。そこは“人喰い”の原点にして、供花村最大の秘密が眠る場所でした。

壮絶な戦闘の末、恵介は白銀を撃つ──しかし、白銀は最後に恵介を庇い、命を落とします。
皮肉にも、後藤家の“化け物”が、最も人間らしい死に方を選んだ瞬間でした。

恵介はすべての罪を背負い、警察に投降。
そして、大悟は村に残ることを選びます。「この村のことを誰かが覚えていなければならない」──そう言って。
彼は村人たちから“あの人”と呼ばれ、新たな時代の証人となって生き続けるのです。

『ガンニバル』シーズン1〜2の見どころと考察

人喰いという“象徴”が意味するもの

『ガンニバル』で何より衝撃的なのは、「人が人を喰う」という設定です。
しかしそれは、単なるホラーではなく、「社会の歪み」や「共同体の欺瞞」を可視化するための装置として機能しています。

誰かを差し出すことで均衡を保ってきた村──その構造は、現代の社会にもどこか通じる部分があります。
「見て見ぬふり」をする大人たち、「生き延びるためには仕方がない」と思考停止する人々。
人喰いは、まさに“犠牲”と“加害”の象徴なのです。

阿川大悟というキャラクターの変化

大悟は、最初こそ「正義感が強い駐在」という典型的な人物でした。
しかし、物語が進むにつれ、彼は「正しさとは何か」「守るとはどういうことか」という葛藤の中で、幾度も揺れ動きます。

撃てない相手、救えない命、消えない罪悪感──
それでも、彼が最後に選んだのは「この村を忘れない」こと。
“何もしないこと”が“見届けること”になるという静かな決意は、観る者に深い余韻を残します。

まとめ：Netflix版『ガンニバル』の結末とその余韻

Netflix版──いや、正確にはディズニープラス独占配信の『ガンニバル』は、ただのサスペンスやホラーではありません。
閉ざされた村に漂う恐怖の中で、「信じること」「守ること」「生き延びること」の意味を問う、人間の根源に迫る物語でした。

人が人を喰らうという非現実的な設定の中に、現代社会の“リアルな苦しみ”が見え隠れする。
だからこそ、観終わった後に感じるのは恐怖よりも、「哀しみ」と「問い」です。

あなたなら、この村でどう生きただろう？
あなたなら、大悟と同じ選択ができただろうか？

“終わった物語”のはずなのに、観た者の心の中でずっと続いている。
それこそが、このドラマが“傑作”と呼ばれる所以なのかもしれません。