TBS日曜劇場『キャスター』。報道番組の舞台裏を描く重厚なドラマでありながら、心に残るのは、ふと挿し込まれる“過去”のシーンだったりします。なかでも第3話で描かれた、高校時代の回想シーン——夕方の光に包まれた校舎、少しぎこちない会話、交わされなかった言葉たち。その風景が、どこか懐かしくて、胸がきゅっとなった人も多いはず。
「この学校、どこかで見たことある」
「もしかして、あそこじゃない?」
そんな声がSNSでも飛び交い、聖地巡礼を試みるファンが増え始めています。
この記事では、『キャスター』の舞台となった“学校ロケ地”の正体を徹底解説。実際の住所やアクセス方法、建物の背景に加え、制作サイドがなぜその場所を選んだのか——その“感情の文脈”まで掘り下げていきます。撮影に使われたもうひとつの印象的な場所「川沿いの公園」についてもご紹介します。
ただのロケ地紹介では終わらせない。“物語が生まれた風景”として、あなたの記憶と重なる場所を、一緒にたどってみませんか。
この記事を読むとわかること
- ドラマ『キャスター』に登場する学校ロケ地の正体
- 日本大学薬学部と二子玉川公園の撮影背景と選ばれた理由
- ロケ地巡りをする際の注意点とマナーのポイント
『キャスター』の学校ロケ地はどこ?
『キャスター』第3話で描かれた高校時代の回想シーン——あの印象的な校舎、長い廊下、静かな階段。その舞台となったのは、実際には高校ではなく大学のキャンパス。千葉県船橋市にある日本大学薬学部が、撮影地として使用されました。
一見して高校のようにも見えるその外観は、白を基調とした清潔感のある建物と、整備された中庭が特徴。あまりにも「見覚えがある」と思わせるその景観は、多くの視聴者の記憶の中にある“高校らしさ”を再現していたのです。
Google Mapで「日本大学薬学部」と検索すれば、外観は比較的簡単に確認できます。
所在地は千葉県船橋市習志野台7丁目7番1号。最寄り駅は東葉高速鉄道「船橋日大前駅」で、そこから徒歩約10分ほどと、アクセスも良好です。
この場所が、どうして「高校のロケ地」として選ばれたのか?
次のセクションでは、日本大学薬学部という施設自体の特徴と、ドラマ制作側がこの場所を選んだ理由に迫っていきます。
日本大学薬学部とは?ドラマに使われた理由
日本大学薬学部は、全国有数の規模を誇る私立大学・日本大学の医療系学部の一つ。薬剤師国家試験合格者数でも上位常連の実績を持ち、教育・研究の両面で高い評価を得ています。
キャンパスは、千葉県船橋市の静かな住宅街に広がっており、最新の実習設備・研究棟・図書館などを備えた現代的な校舎が特徴です。
その一方で、このキャンパスには「高校っぽさ」も確かにある。
白く整った外壁、大きな窓、左右対称のシンプルな構造。どこにでもありそうな、でもなぜか懐かしい——そんな風景が、『キャスター』の“あの頃”を描くにはぴったりの舞台だったのです。
制作者がこの場所を選んだ理由のひとつには、「記憶に残らない建物」こそが、記憶に寄り添うという矛盾のような美学があったのかもしれません。
実際、視聴者の間では「自分の母校かと思った」「うちの学校に似てる」という投稿が相次ぎ、共感の波を呼びました。
また、日本大学薬学部の公式Facebookページでも、ドラマのロケ地に選ばれたことが公表されており、学生の間でも一時話題に。
ロケの裏話として「実際に研究棟を使って撮影が行われた」との情報もあります。
このように、教育機関としての“本物”の空気と、ドラマに求められる「物語の余白」を両立できる稀有なロケーション。それが、日本大学薬学部が選ばれた最大の理由だったのです。
実際に撮影されたロケシーンの詳細
『キャスター』第3話で描かれた、高校時代の回想シーン。その舞台として使用されたのが、前述の日本大学薬学部のキャンパスです。
進藤(阿部寛)、本橋(仲野太賀)、崎久保(松下洸平)の3人が、取材で訪れる“研究室”のカット。
その扉の向こうには、高校生の頃の彼らがいた記憶が残されている——そんな多層的な構造が、このシーンをただの回想に終わらせず、物語の“芯”へと昇華させています。
実際に登場したのは以下のようなカットです:
- 白く長い廊下を歩く回想カット
- 研究室の扉越しに静かに言葉を交わすシーン
- 階段を上り下りする一瞬のカメラワーク
- 屋外での静止した空気感のあるショット
これらの描写には、「ありふれた校舎」だからこそ持てる説得力がありました。演出の美術やライティングもあえて抑えめにされており、“場所が語る”タイプの映像演出が際立っていたのが印象的です。
さらに、ロケの雰囲気については、エキストラや関係者からのSNS投稿でも「非常に静かな撮影現場だった」との声が見られます。
大声を出すような台詞や派手な演出ではなく、「静けさと記憶」が主役のシーンだったことが、そのままロケ地の空気に反映されていたのかもしれません。
第2話の川沿い回想シーンは二子玉川公園
『キャスター』第2話でもう一つ、印象的だったのが、川沿いで語り合う高校時代の回想シーンです。
夕暮れ前のやわらかな光、遠くを流れる多摩川の音、黙って歩く二人の肩越しに見える空——そのすべてが“言葉以上の感情”を映し出していました。
このシーンが撮影されたのは、東京都世田谷区の「二子玉川公園」。多摩川沿いに広がる自然豊かな都市公園で、近年ではCMや映画の撮影地としても注目されています。
ロケ地の基本情報とアクセス
- 所在地:東京都世田谷区玉川1丁目16−1
- アクセス:東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」から徒歩約10分
- 開園時間:常時開放(※一部施設を除く)
撮影された具体的なロケーション
シーンの中で二人が歩いていたのは、多摩川沿いの西側遊歩道付近。左手に川、右手に木々が並ぶ一本道は、訪れれば「あ、ここだ」とすぐにわかるほど、画面そのままの風景です。
また、近くには日本庭園「帰真園(きしんえん)」や、小高い展望広場、スターバックスも併設されており、半日過ごすには十分なスポット。ファンの間では、ドラマの再現カットを撮るために訪れる人も少なくありません。
ファンの声と現地の空気感
X(旧Twitter)やInstagramでは、「あのシーン、ほんとにここで撮ってた!」「同じ風、同じ空の色だった」といった声が多く見られます。
ドラマと現実の景色が“地続き”に感じられるほど、演出とロケーションが自然に溶け込んでいたことがわかります。
特に朝や夕方の時間帯は、光が柔らかく、ドラマの空気感を最も体感できるタイミング。聖地巡礼をするなら、朝か日没前がベストです。
『キャスター』ロケ地巡りの注意点とマナー
ドラマの余韻に浸りながら、実際にロケ地を訪れる——いわゆる“聖地巡礼”は、作品をもっと深く味わえる特別な体験です。ただし、現地を訪れる際には必ず守るべきマナーとルールがあります。
大学キャンパス内は「立ち入り禁止」が原則
日本大学薬学部は現役の教育機関であり、学生たちが日常的に学んでいる大切な場所です。
授業が行われている時間帯はもちろん、休日であっても無断での立ち入りや撮影は固く禁じられています。
建物の外観を敷地外から静かに眺めることは可能ですが、それでも撮影機材を持ち込むような行為は控えるのが賢明です。
「誰もが利用する公共施設」ではないということを、肝に銘じておきましょう。
公園でも「配慮」が必要なシーン撮影
一方、二子玉川公園は誰でも訪れることができる公共の都市公園です。
しかし、散策している家族連れやジョギング中の人、休憩中の住民など、他の利用者の存在を忘れてはいけません。
スマホでの記念撮影程度であれば問題ありませんが、大人数でのロケ再現、三脚やドローンなどを使った撮影などは、事前許可が必要になる場合があります。
気持ちよく過ごすためにも、常に「ここは誰かの生活空間でもある」と意識しておくことが大切です。
「ファンとしての姿勢」が、作品の未来を守る
近年、ロケ地トラブルがニュースになることも増えました。作品を好きであればあるほど、その舞台となった場所への敬意を忘れないこと。それが、次の作品が安心して撮影できる未来につながっていくのです。
“聖地”は、物語が生まれた場所であると同時に、誰かの日常でもあります。その両方を大切にすることが、ファンとしての最も誠実な在り方だと、私は思います。
まとめ|『キャスター』の風景に、あなたの記憶を重ねて
『キャスター』の回想シーンが、ただの過去描写ではなく、観る人自身の記憶にまで染み込んでくるのは、舞台となる“風景”の力が大きいと思います。
日本大学薬学部というキャンパスの、整ったけれど少し無機質な廊下。
二子玉川公園の、多摩川の流れと空の広さ。
そこに立つだけで、言葉にできなかった気持ちや、誰にも話さなかった思い出が、ふいに呼び起こされるような場所でした。
ロケ地というのは、物語の裏側にある“もうひとつの登場人物”なのかもしれません。
その場所が持つ空気、温度、音——それらすべてが、シーンに深みを与え、キャラクターの心をよりリアルに伝えてくれます。
作品を愛するからこそ、舞台となった場所もまた、静かに、丁寧に、心を込めて歩いてほしい。
『キャスター』の風景に触れることで、あなた自身の“あの頃”が少しやさしく思い出せる、そんな旅になりますように。
この記事のまとめ
- 『キャスター』高校回想シーンのロケ地は日本大学薬学部
- 第2話の川沿いシーンは二子玉川公園で撮影
- 日本大学薬学部は立ち入り制限があるため注意
- 二子玉川公園は自由に訪問可能な聖地スポット
- 実在の風景がドラマの感情演出に深く関与
- ロケ地を訪れる際はマナーと配慮を忘れずに
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