2009年に放送されたNHK連続テレビ小説「つばさ」でヒロイン役を務めた多部未華子さん。それをきっかけに、彼女の女優としてのキャリアは一気に加速しました。
以降、多部さんは民放・NHK問わず多くのドラマで主演・ヒロインを務め、多様な役柄を魅力的に演じ分けてきました。そのたびに話題となり、多くの視聴者を惹きつけています。
この記事では、NHK「つばさ」から始まる多部未華子さんの快進撃と、その後のヒロイン遍歴を総まとめし、最新作「対岸の家事」までを一挙にご紹介します。
この記事を読むとわかること
- 多部未華子のNHK朝ドラ「つばさ」での躍進の始まり
- 代表作で演じたヒロイン像の変化と魅力
- 最新作「対岸の家事」で見せる新たな一面
多部未華子の快進撃は「つばさ」から始まった!
2009年、NHKの朝ドラ『つばさ』でヒロインに抜擢された多部未華子さんは、その瞬間から全国の注目を浴びる存在となりました。
ドラマの舞台は埼玉県川越市。老舗和菓子店の娘である主人公・玉木つばさが、家族と地域に支えられながら成長していく姿を描いた心温まるストーリーでした。
この作品を皮切りに、多部未華子さんの“普通の中にある輝き”を演じる力が多くの人に知られるようになったのです。
NHK朝ドラ「つばさ」のあらすじと役柄
玉木つばさは、かつて東京で音楽プロデューサーとして活動していましたが、父の入院をきっかけに故郷・川越へ戻ります。
家族の再建や地域FM局の立ち上げに関わりながら、“地域とつながる”ことの大切さに気づいていく姿が描かれました。
この役を通して多部さんは、都会と地方、夢と現実、家族との関係といったテーマに真っ直ぐ向き合うヒロイン像を演じました。
初のヒロインで見せた自然体の演技力
朝ドラ初出演、そして主演というプレッシャーの中で、多部さんは気負うことなく“自然体”の演技を貫きました。
とりわけ、表情や語り口の一つ一つにリアリティがあり、「まるで身近にいるような存在感」と評されたことが印象的です。
『つばさ』での演技が評価されたことで、その後も“共感型ヒロイン”としての道が切り開かれ、多部さんの快進撃が始まったのです。
「デカワンコ」で見せたコメディエンヌとしての才能
2011年1月、日本テレビ系の土曜ドラマとして放送された『デカワンコ』は、多部未華子さんの新境地を開いた作品として語り継がれています。
原作は森本梢子さんによる同名コミックで、多部さんが演じるのは、異常な嗅覚を持つ新人刑事・花森一子。
ロリータファッションに身を包みながら事件を解決していくという異色の設定が、強烈なインパクトを放ちました。
ポップでキュートな刑事役が話題に
一子は警察官らしからぬ見た目でありながら、現場では誰よりも事件の真相に近づいていく有能な刑事。
多部さんは、このギャップのあるキャラクターをユーモラスかつ真剣に演じ分ける技量を見せ、視聴者を魅了しました。
その振り切った演技が視聴者の笑いと共感を呼び、「多部ちゃんにこんな一面があったのか」と驚く声がSNSにもあふれました。
コミカルな演技で新たなファン層を獲得
『つばさ』では“素朴で真面目なヒロイン”というイメージだった多部さん。
『デカワンコ』ではそのイメージを良い意味で裏切り、コミカルでテンポの良い演技力を発揮。
老若男女問わず新たなファン層を取り込むきっかけとなりました。
「これは経費で落ちません!」での知的系ヒロイン像
2019年にNHKで放送されたドラマ『これは経費で落ちません!』は、多部未華子さんの演技力が一層評価された作品となりました。
彼女が演じたのは、会社の経理部で働く森若沙名子。几帳面で正義感が強く、無駄な感情を排したプロフェッショナルな女性でした。
“共感よりも客観”を重んじる主人公像が新鮮で、働く女性から大きな支持を集めました。
職場ドラマでの堅実なキャラクター
沙名子は、経費申請のチェックを通じて、会社の不正や同僚の悩みに気づきながらも、あくまで中立を保ちます。
その冷静さと芯の強さが視聴者に新たなヒロイン像を提示し、「優しさ」と「厳しさ」を兼ね備えた“知的ヒロイン”として、多部さんの演技に高評価が集まりました。
視聴後には「森若さんのような上司が欲しい」といった感想も多く見られました。
働く女性層からの圧倒的支持
本作の放送当時、共働き世帯の増加や、女性の職場での立ち位置が注目される中で、沙名子の姿に励まされたという声が多数寄せられました。
また、多部さんの端正で飾らないルックスが、「頑張りすぎず、でもしっかりと向き合う女性」のイメージと重なり、強い共感を生み出しました。
この作品を通して、多部未華子さんは“日常を生きる等身大のヒロイン”としての地位を確固たるものにしました。
「マイファミリー」での母親役で見せた芯の強さ
2022年にTBS系で放送された日曜劇場『マイファミリー』では、サスペンス要素の強いストーリーの中で、多部未華子さんが新たなヒロイン像に挑戦しました。
彼女が演じたのは、IT企業社長の妻であり一人娘の母親でもある鳴沢未知留という女性。
誘拐事件という非日常に巻き込まれる中で、冷静さと母親としての強さを見せるその姿が、多くの視聴者の心に刺さりました。
サスペンスの中で揺れる感情を熱演
物語は、娘が誘拐されたことをきっかけに始まります。未知留は夫とともに事件解決に奔走しながらも、互いの価値観や過去のすれ違いとも向き合っていくことになります。
多部さんはこの役柄で、怒り、悲しみ、そして決意という複雑な感情の揺れを丁寧に表現。
視聴者からは「目だけで訴えかける演技に圧倒された」といった高い評価が寄せられました。
夫婦の葛藤をリアルに描いた演技力
未知留と夫・温人(演:櫻井翔)の関係は、事件を機に大きく変化していきます。
夫婦の“表面上の安定”が崩れていくなかでも、多部さんは未知留の芯の強さと母としての愛情を絶妙なバランスで表現しました。
単なる“被害者の母”ではなく、主体的に動く女性像を演じ切った点が、これまでの彼女のキャリアに新しい深みを加えました。
最新作「対岸の家事」で演じる新たな主婦像に注目
2025年4月からスタートしたTBSの火曜ドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』は、多部未華子さんが主演を務める最新作として早くも話題を呼んでいます。
この作品では、彼女が演じるのは“専業主婦”という等身大の女性であり、華やかさとは一線を画したリアルな家庭と心の葛藤を描いています。
育児や家庭に奮闘する女性の内面を繊細に描いたこの作品は、多くの共働き家庭や子育て中の母親から共感を集めています。
普通の主婦が主人公の等身大ヒロイン
主人公・村上詩穂は、2歳の娘と夫と共に暮らす専業主婦。居酒屋の店長として働く夫と対照的に、日中は子どもとしか会話を交わさない日々を過ごしています。
多部さんは、「2つのことを同時にできない」という心の弱さを抱えながらも、丁寧に家庭と向き合おうとする詩穂を等身大で演じています。
誰もが抱える孤独や不安を巧みに表現し、視聴者に「これ、わかる」と思わせる力がありました。
今後の展開と注目のキャスト
本作には、江口のりこさんやディーン・フジオカさんなど豪華な実力派俳優陣が脇を固めています。
それぞれが「家事」や「育児」と向き合う異なる立場から、現代社会に生きる多様な家族の形を描き出していくのが魅力です。
第1話放送時点ですでにSNSでも話題沸騰中で、今後の展開がますます楽しみな作品となっています。
多部未華子のヒロイン像はどう変化してきたのか
デビュー当初から独特の存在感を放っていた多部未華子さん。2009年のNHK朝ドラ『つばさ』で注目を集めて以来、彼女の演じるヒロイン像は時代と共に変化を遂げてきました。
その変遷には、“視聴者にとって身近で共感できる人物像”を重ね合わせる力が常に存在しています。
作品ごとに異なる背景や性格を持ちながらも、どこか共通した「芯のある女性像」が、多部さんの演技を通して浮かび上がります。
「天然系」から「しっかり者」へ
『つばさ』の詩野つばさは、ちょっとドジで素朴だけれども前向きな“天然系ヒロイン”として親しまれました。
その後、『デカワンコ』や『私に運命の恋なんてありえないって思ってた』などではポップで軽快なキャラクターを演じ、若い女性層からの支持を集めました。
しかし近年では、『これは経費で落ちません!』の森若さんのように、冷静沈着かつ仕事に誇りを持つ“しっかり者”の女性を演じる機会が増えています。
共通するのは“普通”を魅力に変える演技力
一貫して評価されているのは、多部さんが“非・ヒロイン体質”に見えるようでいて、最終的には観る人の心に残る存在になることです。
派手さや劇的な演出がなくとも、日常に寄り添うリアリティが感じられるのは、多部未華子という女優ならではの強みです。
『対岸の家事』のように、人生のどこかで誰もが抱える“悩み”や“孤独”を演じる姿は、まさに今の社会とシンクロするヒロイン像だと言えるでしょう。
NHK連ドラ「つばさ」から始まった快進撃と今後への期待【まとめ】
2009年のNHK連続テレビ小説『つばさ』で朝ドラヒロインに抜擢されて以来、多部未華子さんは着実にキャリアを積み重ねてきました。
「普通の女性」を演じながらも、その中にある個性や葛藤、強さを描き出す彼女の演技は、共感性の高いヒロイン像として多くの人に愛されています。
明るくポップな役から、冷静沈着なOL、そして悩みながらも家庭を支える母親役まで、年齢とともに役柄の幅を広げながら“進化する女優”として確固たる地位を築いてきました。
15年を経てなお第一線で活躍する理由
多部さんが第一線で活躍し続ける理由は、演技力だけでなく、時代や社会の空気に寄り添った役を選び続けていることにあります。
役柄に安住することなく、あえて挑戦的な作品にも飛び込む姿勢が、視聴者にとって常に“新鮮な存在”として映るのです。
『対岸の家事』のような現代的で共感性の高いドラマに出演することで、さらに幅広い層に支持されることは間違いありません。
次のヒロイン像はどこへ向かうのか
今後、多部未華子さんがどのようなヒロイン像を演じていくのか、多くのファンが期待しています。
年齢を重ねたからこそ出せる深みや包容力を活かした役、あるいは全く新しいジャンルでの大胆な挑戦も見てみたいところです。
彼女の“快進撃”は、まだまだ続きます。
この記事のまとめ
- 多部未華子の朝ドラ「つばさ」での初主演
- 「デカワンコ」で見せた明るくキュートな刑事役
- 「これは経費で落ちません!」での知的なOL像
- 「マイファミリー」で演じた母親の強さと葛藤
- 最新作「対岸の家事」での等身大ヒロインに注目
- ヒロイン像の変化から読み解く多部未華子の成長
- “共感できる普通の女性”を演じ続ける魅力
- これからの活躍にも目が離せない女優
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