静かな夜、ふとテレビをつけて流れてきたあの言葉──「しあわせは、食べて寝て待て」。
何気ない日常の一コマを、こんなにも丁寧に愛おしく描いてくれるドラマがあっただろうか。
NHKドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』は、築45年の団地と、薬膳料理と、どこか不器用な人たちの物語。
でも今、SNSにはこんな声があふれている。
「次回はある?」「もう終わっちゃったの?」「最終回、泣いた…けど、どうしてか知りたい」。
この記事では、そんな“心に残った人”のために──
全何話だったのか、最終回はどんな結末を迎えたのか、そして「続き」があるのかどうか、
今わかっているすべての情報を、静かに、でもまっすぐにまとめてみました。
『しあわせは食べて寝て待て』は何話まで?放送日程まとめ
全9話で完結したドラマ構成
『しあわせは食べて寝て待て』は、NHK総合の「ドラマ10」枠で2025年4月1日から放送がスタート。
毎週火曜夜10時、全9話という構成で、最終回は2025年5月27日に放送されました。
この作品は、もともと長編シリーズではなく、1クール=約2か月で完結する前提で企画されたドラマです。
そのため、展開はゆったりしていながらも、物語は第1話から第9話にかけて着実に“ひとつの終わり”へと向かっていきます。
放送スケジュールと見逃し配信情報
放送は以下のようなスケジュールで行われました:
- 第1話:2025年4月1日(火)
- 第2話:2025年4月8日(火)
- 第3話:2025年4月15日(火)
- …
- 最終話(第9話):2025年5月27日(火)
なお、NHKプラスでは各話の放送終了後1週間以内であれば無料視聴が可能でした。
現在も一部の配信サービスで見逃し視聴が可能な場合があるため、NHKオンデマンドやU-NEXTなどの最新情報を確認すると良いでしょう。
最終回(第9話)の内容と結末
さとこの変化と「団地の再生」
最終話で描かれたのは、主人公・麦巻さとこが自分の居場所と生き方を、ようやく自分の言葉で語れるようになるまでの物語です。
さとこは、これまで「優しさ」を向けられると逃げてしまうタイプの人間でした。
でも第9話では、団地の共有スペースを活用して住人たちと薬膳料理を囲むシーンがあり、彼女が人とのつながりを受け入れる決意を見せます。
築45年の団地が、誰かにとっての「居場所」になる──その小さな奇跡の始まりが、ラストに描かれました。
羽白司との関係は?繋がりの行方
中盤から登場した青年・羽白司(はしろ・つかさ)。
彼の存在はさとこにとって、「誰かを信じること」「過去を手放すこと」の象徴でもありました。
最終回では、彼がかつて負っていた心の傷と、団地での生活を通じてそれを乗り越えようとする姿が描かれます。
さとことの関係も、恋愛というよりは“心を許せる他者”として、あたたかく、でも確かに結ばれていきました。
何も大きくは起こらない。でも、それがとても尊い。
そんな終わり方が、このドラマらしかったのです。
原作との違いは?ドラマ版のオリジナル要素
水凪トリによる原作との比較
『しあわせは食べて寝て待て』の原作は、水凪トリによる同名漫画作品。
秋田書店の『フォアミセス』やWeb媒体「Souffle」で連載され、全5巻で完結しています。
原作では、年齢も立場も違う二人の男性──田島と佐山──の関係性が中心に描かれており、穏やかなグルメ×ヒューマンドラマとして高い評価を得てきました。
BL(ボーイズラブ)を背景にしつつも、恋愛よりも「心のつながり」や「再生」をテーマにしています。
ドラマだけの登場人物・演出とは
一方、NHKドラマ版は登場人物を一新。
主人公・麦巻さとこ(桜井ユキ)を中心に据え、女性主人公としての視点で再構築されています。
また、薬膳料理というモチーフを取り入れ、「食を通じた癒し」や「団地という場所のぬくもり」がより前面に押し出された構成になっています。
原作にあったBL的要素は抑えられ、誰にでも届く“普遍的な孤独と再生”の物語として再解釈されているのが、ドラマ版ならではの魅力です。
『しあわせは食べて寝て待て』続編の予定は?
公式発表はまだ?視聴者の声と可能性
現時点で、NHKや制作陣から続編に関する正式な発表はありません。
「ドラマ10」枠は、基本的に1クール完結のドラマを中心に放送しているため、今回の作品も全9話で完結する前提で作られています。
しかし、SNSでは「続きが観たい」「またあの世界に戻ってきたい」といった声が多数寄せられており、じわじわと口コミで人気が広がっているのも事実です。
この反響次第では、特別編やスピンオフ、さらには映画化の可能性もゼロではないかもしれません。
スピンオフや映画化の可能性もある?
例えば、羽白司の過去を掘り下げたスピンオフや、団地の住人それぞれの物語を描いた群像劇的な続編も考えられます。
原作の持つ“静かな余白”が、映像として再び描かれる日を願う声は多く、NHKドラマファン層との親和性も高い作品です。
今はまだ「続編はない」と言うしかないけれど、“あの世界”の続きは、私たちの心の中に確かに残っている──そんな感覚を大切にしたいと思います。
まとめ:日常の小さな幸せが、じんわりと沁みてくる
終わりがあるから、心に残る
『しあわせは食べて寝て待て』は、何か大きな事件が起きるわけでも、ドラマチックな恋愛があるわけでもありません。
でも、だからこそ心に残る──日常のかけらを丁寧に描いた、そんな作品でした。
最終回でさとこがたどり着いた「ちょうどいい自分」。
それは、誰かのためじゃなく、自分のために笑えるようになることだったのかもしれません。
原作コミックでもう一度“あの世界”に浸ろう
もしドラマを観終わって「もっと知りたい」と思ったなら、水凪トリの原作コミックを手に取ってみてください。
登場人物や視点は異なっても、そこに流れている空気は同じです。
食べて、寝て、待つこと。
それだけで、人生は少しだけやさしくなれる──
そんなメッセージが、きっと今のあなたにも届くはずです。
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