映画『サンセット・サンライズ』を観終わったあと、胸の奥に静かに残るもの。それは、登場人物たちの心の揺れだけでなく、彼らが暮らし、愛し、迷いながら佇んでいた“風景の記憶”ではないでしょうか。
物語の舞台となったのは、宮城県の気仙沼市と岩手県の大船渡市。
朝焼けと夕焼けが交差する東北の港町には、映画の余韻をそっと受け止めてくれるような場所が点在しています。
この記事では、そんな『サンセット・サンライズ』のロケ地を巡る旅をご紹介します。
“あの頃の自分”にもう一度出会えるかもしれない——そんな予感と一緒に、出発しましょう。
- 映画『サンセット・サンライズ』の主なロケ地情報
- 気仙沼・大船渡の観光やグルメスポットの魅力
- ロケ地巡りに役立つマップや移動手段のアドバイス
気仙沼市のロケ地を巡る|『サンセット・サンライズ』の聖地たち
只越漁港|静けさと光が出会う場所
気仙沼市の入り江に佇む只越漁港は、映画のなかで主人公が釣りを楽しむシーンに登場したスポット。
朝日が水面に差し込む静かな光景は、まさに「サンライズ」の象徴。
小さな波音と、潮の香り、ゆるやかに揺れる船。そのすべてが、心のざわつきをそっと鎮めてくれるような時間をつくってくれます。
道幅が狭い場所もあるため、訪れる際は車の運転に注意してくださいね。
唐桑総合支所・唐桑公民館|百香の職場があった建物
井上真央さん演じる百香が働く「宇田濱町役場」のロケ地として使われたのが唐桑総合支所と唐桑公民館。
映画では何気ない日常のやりとりが交わされる場所でしたが、実際に訪れると、地元の人たちが行き交う姿に温かさを感じられます。
館内には出演者のサインなども展示されており、作品の余韻に浸れるスポットです。
鮪立漁港|物語が息づく海辺の景色
透明度の高い海が魅力の鮪立漁港(しびたちぎょこう)も、印象的なシーンが撮影された場所。
港町ならではの人の営みと、映画の中の「静けさ」が絶妙に溶け合っていて、どこか懐かしい気持ちになります。
近隣には民宿つなかんもあり、宿泊しながらのロケ地巡りにもぴったりです。
小鯖漁港|夜の海に浮かぶ記憶
小鯖漁港は、夜釣りのシーンなどで使用された場所。
日が落ちたあと、漁港に広がる静けさと黒い海の広がりは、心にぽつりと残る“あの夜”を思い出させます。
周辺には古いトンネルなどもあり、アクセスには注意が必要。
事前に交通情報を確認し、安全第一で訪問を。
気仙沼大島大橋(鶴亀大橋)|“はじまり”の象徴
映画のクランクイン場所として知られる気仙沼大島大橋(通称:鶴亀大橋)。
気仙沼湾をまたぐこの大きなアーチ橋は、まさに「物語の入口」にふさわしい風景。
主人公たちがどこかに向かって歩き出すとき、その背中を優しく見守るような空と海のグラデーションが広がります。
橋の上からは市街や海を一望できるので、夕暮れ時の訪問もおすすめです。
映画の空気を味わえる場所|気仙沼グルメと立ち寄りスポット
門屋商店|釣り具店に宿るローカル感
主人公が釣り具を買うシーンに登場したのが、地元の門屋商店。
こぢんまりとしたお店ですが、実際に釣り道具や日用品が並ぶ棚には、どこか生活のリアルが宿っています。
映画のセットではない、リアルな「生活のにおい」に触れられる場所です。
大漁丸(流木カフェ)|ヒロインの実家を訪ねて
流木カフェ 大漁丸は、ヒロインの実家として登場した印象的な場所。
映画の中では家庭の風景がにじむように描かれましたが、実際には食事も楽しめる人気のカフェ。
小田の浜海水浴場のすぐ近くで、夏には海を見ながらくつろぐこともできます。
ここで飲むコーヒーは、なぜか少しだけ“あの頃”の味がします。
磯屋水産|朝市の臨場感を味わう
気仙沼の港町らしさがぎゅっと詰まった磯屋水産。
主人公が朝市で牡蠣を買うシーンでも使われました。
観光客にも人気があり、実際に新鮮な海産物を購入してその場で味わうことも可能。
「スクリーンの向こう」で味わっていた風景が、口の中でリアルに感じられる、そんな体験ができます。
ロケ地巡りのための情報まとめ
移動手段と注意点|レンタカー推奨&道路事情
気仙沼のロケ地は市街地から離れた場所も多く、公共交通だけでは巡りにくいのが現実。
レンタカーの利用が断然おすすめです。
特に冬場は道路が凍結することもあるため、スタッドレスタイヤやチェーンの準備も忘れずに。
一部の道路やトンネルは通行止めの可能性もあるので、事前に交通情報を確認しましょう。
ロケ地マップを活用しよう|PDFリンク付き
気仙沼市観光推進機構が提供する公式ロケ地マップがとても便利です。
見どころがひと目で分かる構成で、スマホにも対応しています。
▶ロケ地マップをダウンロード(PDF)
最新の観光情報をチェックするには?
気仙沼市の観光情報やイベント情報は、気仙沼市観光推進機構の公式サイトから最新情報が入手できます。
▶気仙沼市観光推進機構 公式サイト
旅の計画前に一度チェックしておくと安心です。
まとめ|“物語の続き”は、きっとこの町にある
『サンセット・サンライズ』が描いたのは、再生と希望の物語。
そしてそれを支えていたのは、どこまでもやさしい風景と、そこに生きる人々の息遣いでした。
映画を観たあなたの胸に残った“何か”があるなら、それを確かめにこの町を訪れてみてください。
朝焼けの港、潮風に吹かれる橋の上、誰かが笑った食堂のカウンター。
そこには、映画の“つづき”がきっと待っています。
旅の終わりには、あのセリフのように——「また、会える気がするね」。
- 映画『サンセット・サンライズ』のロケ地を紹介
- 主な舞台は気仙沼市と大船渡市
- 只越漁港や唐桑公民館などの聖地情報
- ヒロインの実家は流木カフェ「大漁丸」
- 釣具店や水産店など地元ならではのスポット
- レンタカーでの移動がおすすめ
- 気仙沼観光協会のロケ地マップも活用可能
- 映画の“続き”を感じられる旅の提案
コメント