2025年度前期のNHK朝ドラ『あんぱん』は、やなせたかしさん夫妻をモデルにした感動の物語で、放送前から注目を集めています。
本作の魅力のひとつが、作品の世界観を支えるロケ地の数々。高知県をはじめ、東京や茨城など、実際にゆかりのある場所で撮影されています。
この記事では、『あんぱん』のロケ地を地域ごとに詳しく紹介し、どのようなシーンがどこで撮影されたのか、舞台裏もあわせて一挙にご紹介します。
- 朝ドラ『あんぱん』の主要ロケ地とその撮影シーン
- 高知・茨城・東京における舞台裏と制作の工夫
- ロケ地から見える物語の世界観と制作陣のこだわり
高知県のロケ地|やなせたかしの故郷を舞台にした主要シーン
高知県は『あんぱん』の物語の原点とも言える地であり、やなせたかしさんの故郷として知られています。
ドラマの序盤で描かれる美しい自然や主人公の成長の場面は、この高知の風土なくしては語れません。
特に、琴ヶ浜や物部川といったロケ地は、登場人物たちの心情や時代背景を象徴する重要な舞台です。
琴ヶ浜(芸西村):朝田のぶの青春を描いた名シーン
2024年9月に撮影がスタートしたこの場所は、高知県安芸郡芸西村にある琴ヶ浜です。
主人公・朝田のぶ(今田美桜)がパンの配達の帰り道に、海を眺めながらかき氷を食べる印象的なシーンが撮影されました。
また、柳井嵩(北村匠海)と弟の千尋が砂浜で遊ぶ場面もあり、青春のひとときを象徴する舞台として物語に深みを加えています。
物部川(香美市):自然豊かな風景が彩る情景
香美市を流れる物部川も、ドラマの撮影地として選ばれています。
具体的なシーンの詳細は公表されていませんが、その澄んだ流れや緑あふれる景色が、作品に静けさと温もりを与える要素として登場すると考えられます。
高知の自然は、ただの背景ではなく、登場人物たちの内面と共鳴する重要な役割を果たしているのです。
茨城県のロケ地|時代背景を再現する歴史的建造物
『あんぱん』の撮影は、舞台となる昭和初期から戦後の時代をリアルに再現するために、茨城県の歴史的施設でも行われました。
建築物や街並みが残るエリアが数多く使われ、作品の世界観に深い説得力を与えています。
ワープステーション江戸や旧土浦中学校、さらには地元住民との連携による撮影も話題を呼んでいます。
ワープステーション江戸:時代劇の定番ロケ地
つくばみらい市にあるワープステーション江戸は、江戸時代や明治時代の街並みを再現した施設として知られています。
『あんぱん』では、戦前の東京や地方都市の街並みを再現するシーンに活用されました。
この施設は多くのNHK作品に使用されており、視聴者にもなじみ深い舞台背景として活躍しています。
旧土浦中学校:高知女子師範学校として登場
土浦市にある旧茨城県立土浦中学校本館は、ゴシック様式の歴史的建造物で、ドラマでは「高知女子師範学校」のシーンに使用されました。
のぶが教育を志すきっかけとなる重要な場面の舞台として描かれ、建物の持つ重厚感が作品の雰囲気を高めています。
この校舎は通常は非公開ですが、外観見学は可能であり、ファンの聖地となりつつあります。
雀神社(古河市):地域住民と共に撮影された名場面
2024年9月、古河市の雀神社でも撮影が行われました。
このシーンでは、地域のエキストラが多数参加し、祭りの情景や人々のにぎわいがリアルに表現されています。
地元の協力によって生まれた臨場感は、朝ドラならではの魅力と言えるでしょう。
東京都のロケ地|やなせ夫妻の暮らしが息づく場所
東京は、やなせたかしさんが長年活動の拠点とした場所であり、『あんぱん』の後半の舞台として物語に深みを加える重要なロケ地です。
特に新宿区片町は、やなせ夫妻の晩年の住まいがあったことで知られ、創作と暮らしが交差する日常の背景が描かれています。
東京の風景は、主人公たちが夢を追い続けた日々の象徴として物語の後半に重厚なアクセントを与えています。
新宿区片町:やなせたかし晩年の自宅周辺
新宿区片町は、やなせたかしさんが亡くなるまで住んでいた場所として知られています。
ドラマではこのエリアが、朝田のぶと柳井嵩が東京で再出発を図る場面の背景として描かれると予想されます。
なお撮影の詳細はまだ明らかにされていませんが、ゆかりある土地として多くの視聴者の感情を引き寄せる場面になるでしょう。
ドラマに描かれる東京での生活と創作活動
東京での物語は、二人の苦労と希望が交錯する日々を丁寧に描いています。
出版社とのやりとりや下宿生活、そしてアンパンマン創作にまつわる葛藤など、創作の裏側にあるリアルな心情が表現されています。
高知と異なり、東京の喧騒と人の多さの中で、小さな希望を信じて進む2人の姿が、視聴者に深い感動を与えることでしょう。
朝ドラ『あんぱん』のロケ地から見える制作のこだわりまとめ
朝ドラ『あんぱん』は、ただのヒューマンドラマにとどまらず、ロケ地選びを通して深いメッセージを届ける作品です。
高知の自然、茨城の歴史的な建物、そして東京のリアルな都市空間まで、舞台となる場所ひとつひとつに制作陣の強い想いが込められています。
ロケ地の丁寧な選定は、視聴者の感情に寄り添い、物語に没入させる鍵となっています。
高知県のロケ地では、やなせたかしさんの原点ともいえる世界が忠実に再現されており、故郷への思いや人とのつながりがにじみ出るような描写が印象的です。
また、茨城県の施設は、昭和初期の空気をそのまま切り取ったようなシーンを生み出し、リアリティを高めています。
さらに東京の舞台では、都会の喧騒と人間模様が交錯し、登場人物の葛藤や成長がリアルに浮かび上がります。
これらのロケ地を通して浮かび上がるのは、「どこに生き、誰と出会うか」が人生を形作るというテーマです。
視聴者にとっても、自分の過去や故郷を思い返すきっかけになるのではないでしょうか。
舞台裏のこだわりが生んだリアリティと感動は、『あんぱん』が朝ドラとして多くの人の記憶に残る理由のひとつになることでしょう。
- 朝ドラ『あんぱん』の舞台はやなせたかしの人生がモチーフ
- 高知県では琴ヶ浜や物部川など自然豊かなロケ地が登場
- 茨城では歴史的建造物で昭和の情景をリアルに再現
- 東京・新宿区では晩年の創作活動の背景が描かれる
- 地域住民と共に作られた雀神社での撮影も話題
- ロケ地選定には物語との深い結びつきがある
- 高知の原風景が登場人物の心情を象徴
- 時代背景と空気感を伝える建築や町並みに注目
- 都会の喧騒と夢のはざまで描かれる葛藤のドラマ
- ロケ地から浮かぶ「人生と出会い」のメッセージ
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