「正義って、誰のものなんだろう」
そんな問いが、胸の奥でじわじわと疼くようなドラマが始まった。
TBS金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』。
間宮祥太朗が演じるのは、“争いを焚きつけて”依頼を生む異端の弁護士集団に飛び込んだ、新米弁護士・宇崎凌。
このドラマ、SNSでは放送直後から「えぐいほど刺さる」「社会派だけど面白い」と一定の盛り上がりを見せている。
一方で、地上波の視聴率は回を追うごとに下降中。
「これ、打ち切られたりしないよね?」そんな不安の声もちらほら──。
視聴率とSNSの熱狂。そのギャップを読み解きながら、このドラマがなぜ“数字以上に語るものがある”のかを探っていく。
- ドラマ『イグナイト』の視聴率推移とその背景
- 間宮祥太朗の演技が高く評価される理由
- 視聴率と評価のギャップにある現代ドラマの課題
「イグナイト」視聴率推移|初回は7.7%、その後は?
初回好スタートからの下降線
『イグナイト』の視聴率は、初回こそ7.7%(世帯)とまずまずの出足だった。
- 第1話(4月18日放送):7.7%
- 第2話(4月25日放送):5.8%
- 第3話(5月2日放送):4.8%
わずか3話で約3ポイントもダウン。個人視聴率で見ると、さらに下落が際立つ。
だが一方で、初回の総合視聴率(リアルタイム+録画+配信)は13.9%を記録。
“リアタイで見られていないだけ”という側面も大きい。
リアルタイム視聴が伸び悩む理由
金曜22時といえば、ドラマの視聴枠としては競争が激しい。
裏番組の強さに加え、若年層をターゲットにした内容でありながら、リアルタイムでテレビを見る習慣がない層に刺さっている可能性も高い。
実際、SNS上では「録画してまとめて観てる」「TVerで追いかけてる」という声も多く、視聴習慣の変化が数字に反映されにくくなっているのだ。
間宮祥太朗の演技にSNSがざわついた理由
「あんな目、されたら信じるしかない」
宇崎凌というキャラクターは、理屈よりも心で動いてしまうタイプの新人弁護士。
正義を信じながら、時に組織の“暴力的な手法”に心を痛める。
その揺れる葛藤を、間宮祥太朗は表情ひとつで見せてくる。
SNSでは放送後、彼の演技に対して──
- 「目で語ってる。台詞がなくても全部伝わってくる」
- 「間宮くん、マジで魂込めてる感じする」
- 「“信じたいのに疑ってしまう目”がリアルすぎて苦しい」
──といった声があふれた。
中でも、第2話の法廷シーン。
矛盾する証言を前に、依頼人の言葉を信じるべきか揺れる一瞬。
アップになった間宮の瞳が、視聴者に“その場にいる”ような緊張感を与えた。
“熱いのに空回りしない”新境地
間宮祥太朗といえば、これまでにもさまざまな役を演じてきた実力派。
だが、『イグナイト』ではその演技に「余白」と「芯」の両方が宿っている。
一見、不器用でまっすぐ。だけど、どこか冷めた視点も持ち合わせている。
そんな宇崎凌の「二重構造」が、観る人の心に引っかかりを残す。
「熱血だけじゃない」「泣かせにきてるのに、泣かせようとしてない」──
そんな絶妙な距離感の演技に、SNSでも“新境地”という声が多く上がっている。
彼の存在が、このドラマを単なるリーガル・エンタメに終わらせない。
むしろ、“感情で人を動かす”作品として成立させている、大きな要因なのだ。
ドラマの評価が視聴率に追いつかないジレンマ
「面白いけど見られていない」不条理
『イグナイト』は視聴率では苦戦しているものの、内容への評価は決して低くない。
実際、SNSやレビューサイトでは「脚本が丁寧」「キャストの演技が本気」といったポジティブな声が多く並ぶ。
それなのに、数字は伸び悩む──。
この“面白いのに見られていない”現象は、現代のテレビドラマが抱える構造的なジレンマとも言える。
特に今作のような、一話完結でない物語構造や、社会的テーマを内包した作品は、
「観るのにエネルギーがいる」と感じられやすく、週末に“軽く観る”には向かない側面もある。
それでも見続けたい理由がある
『イグナイト』が扱っているのは、訴訟ビジネス、フェイクニュース、そして正義のねじれ。
どれもフィクションとは言い切れない、いまを生きる私たちの現実に直結するテーマだ。
視聴者の多くが、このドラマに対して「痛いほどリアル」「自分の職場と重なる」と共鳴しているのは、
ただのエンタメ以上に“生き方”や“価値観”に触れる作品だから。
数字では測れない“火種”が、この作品にはある。
それは、たとえ広くは届かなくても、深く刺さる誰かの心を確かに揺らしている。
まとめ|数字だけじゃ測れない“火種”がここにある
視聴率は、ドラマの「表面」を映す指標にすぎない。
でもその奥にある“熱”や“痛み”は、数字じゃ測れない。
『イグナイト』は、間宮祥太朗の熱演とともに、視聴者の心に問いを投げかけてくる。
「正義とは何か」「誰のために戦うのか」──その揺らぎの中に、私たちは自分自身の答えを見つけようとする。
たとえ視聴率という数字に表れなくても、このドラマが放つ火種は、
静かに、でも確かに、私たちの胸の奥で燃えている。
見逃した方は、TVerやU-NEXTでの配信もある。
数字に縛られず、ぜひ“心で観る”ドラマ体験を味わってほしい。
- 『イグナイト』の視聴率は初回7.7%から下降傾向
- SNSでは間宮祥太朗の演技に高評価が集まる
- 配信視聴を含めた総合視聴率は高めの傾向
- リアルタイム視聴に影響する時代背景も一因
- 社会派テーマが共感を呼ぶと同時に視聴ハードルに
- 視聴率では測れない“深さ”がある作品
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