たとえば、「自分の記憶が一番あやしい」と気づいた瞬間——あなたは、誰を信じますか?
韓国ドラマ『ナインパズル』は、ただの“サスペンス”じゃない。過去の傷、捻れた愛、他人からのまなざし。その全部が“伏線”のように絡まりあって、観る者の心をじわじわ締めつける。
主演は、キム・ダミとソン・ソック。ひとことで言えば、「静かな叫び」がうますぎるふたり。台詞じゃなくて、呼吸と目線で、観る者の感情をズラす。
配信開始からわずか数週で、韓国では「今年一番の中毒ドラマ」と呼ばれ、SNSでは「最終回を迎えたくない」といった悲鳴が連日トレンド入り。
でも——
誰もが気になってるのは、きっとこうだ。
「この物語、終わっていいわけがないよね?」
本記事では、そんな“ナインパズル・ロス”のあなたに向けて。韓国メディアの報道、視聴者の反応、制作陣の発言などから、「続編はあり得るのか?」を一緒に読み解いていきます。
ナインパズルの基本情報と人気の理由
心理サスペンスとしての完成度
『ナインパズル』は、殺人事件の“被害者であり、唯一の目撃者”だった女性刑事が主人公。
物語の軸は、10年前の未解決事件と、現在起きている連続殺人事件の交差。でもこのドラマの本質は、「記憶は、いちばん残酷な証拠になる」という問いにある。
シーンひとつひとつに、静かな違和感が仕掛けられていて、観ている側はずっと「どこまでが真実?」と不安定なまま引き込まれる。誰も叫ばないのに、全員が叫んでいるような緊張感。
「謎を解く」のではなく、「感情を解く」サスペンスと言ってもいいかもしれない。
キム・ダミ×ソン・ソックの化学反応
主演のキム・ダミは、表情を変えないまま心を見せる天才。彼女の演じる“記憶を封じた刑事”は、見ているこっちの心まで凍らせる。
一方、ソン・ソックは“あまりに人間くさい刑事”。彼の台詞の節々に、孤独や怒りがにじむたび、画面越しでも「この人、生きてる」と思わされる。
二人の間に流れる空気は、セリフよりも重く、まなざしよりも鋭い。
言葉を交わさなくても、感情がぶつかりあう——そんな“間(ま)”の演技が、異常なほどリアル。
韓国での反響と評価
韓国メディアのレビューまとめ
韓国の主要メディアは『ナインパズル』を、「ディズニープラスの新たな代表作」として高く評価。ドラマ専門誌<10Asia>は、「これほどまでに“沈黙”が雄弁な作品は珍しい」と表現。
また、文化批評系のニュース番組では、「単なる事件の解明ではなく、“人がなぜ黙るのか”を描いた心理劇」として特集が組まれたほど。
他にも、「サスペンスでありながら、視聴者の心のトラウマを炙り出すヒーリング作品」と評する媒体もあり、“癒されるのに苦しい”という、矛盾を抱えた作品性が注目されている。
SNSや掲示板のリアルな声
韓国国内の掲示板やX(旧Twitter)では、毎話ごとに「考察スレッド」が立ち、細かい仕草やセリフの意味をファン同士が議論。
特に多かったのは、こんな声——
- 「最終話が待ちきれない…でも終わってほしくない」
- 「全員怪しいのに、誰にも怒れない。怖いのに、愛しい」
- 「この完成度で終わりは寂しい。シーズン2、お願いします」
韓国ファンの間では、「これは“続き”が観たいんじゃなくて、“この世界にまだ浸っていたい”」という、没入型の支持が根強いようです。
続編の可能性は?公式発表と業界の見方
ディズニープラスからの公式情報は?
2025年6月現在、ディズニープラスから『ナインパズル』の続編に関する公式発表は出ていません。
しかし、同作はプラットフォーム内で視聴ランキング1位を記録し、「2025年上半期最大のヒット作」として各国メディアでも報道されています。
公式Xアカウントでも続編に関する言及はないものの、「完結まであと2話」「結末に震えてほしい」など、物語の余韻を強調する投稿が相次いでいます。
そのため、「最終話の反響を見て続編を判断する可能性が高い」との見方が業界内で広がっています。
続編を匂わせる要素とは?
本編には、いくつか“未解決”のまま終わっている要素があります。
たとえば、あの部屋にあった“消された記録”、主人公が最後に見た“ある人物の後ろ姿”——
視聴者の間では、「これは“完結”というより、“序章”なのでは?」という声も多数。
また、脚本家のイ・ウンミ氏は、過去のインタビューで「キャラクターを1シーズンだけで描き切るには惜しい」と語っており、シリーズ化を視野に入れた構成の可能性も否定できません。
もし続編が出るなら?ストーリー予想とファンの願望
視聴者が期待する展開とは
続編を望む声の多くは、「主人公たちの“その後”が知りたい」というもの。
特に、最終話直前で明かされた“あの真実”に対し、視聴者からはこんな反応が上がっています。
- 「彼女は、あのまま終わらせるつもりじゃないよね?」
- 「本当の“黒幕”は、まだ動いてない気がする」
- 「2人の関係が、あれで終わるなんて信じたくない」
つまり、“結末”というより、“入り口”のようなラストだった。だからこそ、続きが描かれる余白が、視聴者の想像力を燃やしているのです。
原作や制作者のヒントから予測する
原作にあたる書籍や原案は存在しておらず、完全オリジナル脚本である本作。
その分、「続編をつくるか否か」も、クリエイターたちの意思次第という点がポイントです。
脚本家イ・ウンミ氏は以前、「登場人物の“過去”より、“未来”に興味がある」とコメントしており、もし続編が実現すれば、“事件の余波”と“癒しきれない傷”を描く物語になる可能性が高いです。
また、主演のキム・ダミは近年、作品選びにおいて「“何を語るか”より、“誰が傷つくか”を重視している」と語っており、次のシーズンでも、ただの謎解きでは終わらない、深い人間ドラマが期待されます。
まとめ:『ナインパズル』続編に期待が高まる理由
『ナインパズル』は、その構成力・演出・演技——どれを取っても、“ここ数年の韓国ドラマの中でも異質な完成度”を見せつけました。
だけど本当の衝撃は、「すべてが明かされたのに、なぜか“終わった気がしない”」という感覚。
続編の公式発表はまだない。
でも、視聴者の心の中では、もう次のパズルが始まっている。
あの視線の意味は?
あの沈黙に、どんな感情が隠されていた?
それを“知りたい”と思った時点で——もう私たちは、彼らの物語の一部になっている。
『ナインパズル』が好きだった人へ。
続編を待つ時間もまた、このドラマが私たちに仕掛けた「余白」なのかもしれません。
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