「サスペンスは好きだけど、よくある刑事ものには飽きてきた…」
そんなあなたにこそ勧めたいのが、2025年にDisney+で配信された注目作『ナインパズル』。
主演は『梨泰院クラス』で一躍有名になったキム・ダミ、そして『マイ・ネーム』『D.P.』など硬派な作品で存在感を放ってきたソン・ソック。
10年前の未解決事件と現代の連続殺人事件が交差する本格心理スリラーに、視聴者から高評価の声が続出中です。
今回は、ネタバレなしで「視聴前に知っておきたい3つの魅力」を、脚本・キャスト・演出それぞれの角度からご紹介します。
魅力①:キム・ダミが演じる“天才プロファイラー”の異質さ
『ナインパズル』の主人公、ユン・イナはただの捜査官ではありません。
彼女は10年前、自らの叔父が惨殺された現場を目撃した唯一の生存者であり、現在は犯罪プロファイラーとして事件に関わっています。
キム・ダミが演じるイナは、感情をほとんど表に出さず、人との距離を保ちながら淡々と分析を続ける存在。
その姿は、「共感できるヒロイン」とは正反対。
でもだからこそ、彼女が時折見せる“心のひび割れ”が、痛いほど刺さります。
視聴者の間でも、「イナの正体が分からないからこそ、画面から目が離せない」という声が多数。
キム・ダミの抑制された演技が、逆に感情の揺れを引き立てており、物語に深みを与えています。
彼女はヒーローなのか、それとも…?
この「信用していいのか分からない主人公」という存在が、本作の最大のスリルと言っても過言ではありません。
魅力②:ソン・ソックとの“信じたくても信じられない”タッグ関係
『ナインパズル』を支えるもう一人のキーマン、刑事キム・ハンセムを演じるのはソン・ソック。
彼は、ユン・イナが過去の事件に関与しているのではないかと疑いながらも、連続殺人事件の解決のために彼女と“手を組む”ことになります。
しかしその関係は、典型的な“バディ”ではありません。
互いに相手を警戒しながら協力せざるを得ないという複雑なバランスが、視聴者に強烈な緊張感をもたらします。
一瞬の視線のズレ、無言の時間、些細な仕草に込められた疑念や葛藤。
そのすべてが「この2人、信じ合える日は来るのか?」という問いを観る者に突きつけてきます。
特にソン・ソックの演技は、荒っぽくも繊細。
ハンセムという男の“正義”と“個人的な執着”が交錯する様子を、言葉以上に表情と間合いで伝えてきます。
相手を信じたい、でも信じられない——
そんな人間関係の“痛さ”をドラマの軸に置いているのが、『ナインパズル』ならではの面白さです。
魅力③:“静かに進む地獄”のような映像演出と構成美
『ナインパズル』のもうひとつの中毒性は、その“静かすぎる恐怖”にあります。
派手なアクションやスピーディーな展開ではなく、じわじわと精神を削るような演出が、このドラマの核。
淡々としたカメラワーク、音を極限まで削った編集、そして登場人物たちの無言の時間が、「何かがおかしい」という不穏を静かに増幅させていきます。
特に印象的なのは、画面の“余白”の使い方。
映っていないところにこそ恐怖がある——そんな緊張感を視聴者に突きつけてくる構成が見事です。
また、伏線の張り方にも美しさがあります。
何気ない会話や小道具の配置ひとつひとつが、後半に向けて効いてくる「パズルのピース」となっており、繰り返し観たくなる構造に。
まさに『ナインパズル』というタイトルが示す通り、
視聴者自身も物語の一部として“解読者”になる。そんな仕掛けに満ちた一作です。
まとめ:ナインパズルは“静かな中毒性”を持つ心理サスペンス
『ナインパズル』は、単なる犯罪ミステリーではありません。
そこには、心の奥底に触れてくるような「静かな狂気」と、人と人との不完全な信頼関係が描かれています。
派手さはないけれど、気づけば息を詰めて観ている——
そんな“地味だけどやめられない”中毒性が、この作品の本当の魅力。
こんな人におすすめ:
- アクションよりも心理描写重視のドラマが好き
- 登場人物の“裏”を想像するのが楽しい
- 緻密な構成に伏線回収、映像の美学を重視したい
まだ観ていない方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
その一手一手が、あなたの心にパズルのように刺さるはずです。
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