「めぐりあい、わかれゆく」——
NHK連続テレビ小説『あんぱん』第8週（2025年5月19日〜23日）は、別れと出会い、愛と痛みが交差する、心を激しく揺さぶる週となりました。
主人公・のぶの決断、妹・蘭子の絶望、そして嵩の胸のうち。
この記事では、そんな第8週のあらすじとネタバレを感情の余韻ごと、丁寧にお届けします。
『あんぱん』第8週「めぐりあい わかれゆく」あらすじ総まとめ
のぶの縁談と“心がついていかない”理由
昭和14年秋、教師として忙しく働くのぶ（今田美桜）に、縁談の話が舞い込む。
相手は、父・結太郎の知人の息子・若松次郎（中島歩）。
のぶも、次郎も、「結婚する気はない」というスタンスながらも、出会ったふたりは自然な空気で会話を交わす。
「自分の意志で選ぶ」ということの、重みと温かさが静かに描かれました。
蘭子の喪失、そして「もう一度歌える日」を願って
朝田家に届いたのは、豪の戦死を知らせる一枚の紙。
妹・蘭子（河合優実）は言葉を失い、感情を封じ込めてしまう。
のぶが「豪ちゃんの戦死を誇りに思って」と声をかけると、
「そんなの、嘘っぱちや！」と叫んで泣き崩れる——
言葉では慰めきれない現実に、私たちもまた、涙をこぼした瞬間でした。
嵩の創作と葛藤、心の中にいる“のぶ”
東京で卒業制作に打ち込む嵩（北村匠海）もまた、心を乱されていた。
のぶとの再会、彼女の変化、そして自分の中にある“未完の想い”。
その未練を創作という形に昇華させようとする姿が、静かに描かれます。
彼のまなざしの奥には、まだ「のぶ」が生きていたのです。
視聴者が涙した名シーンとは？
蘭子の涙、のぶの背中、嵩の目線——交わらないけれど確かにある想い
第8週のクライマックスともいえるシーン——
それは、蘭子の泣き叫ぶ声が家中に響いた瞬間でした。
「豪ちゃんの戦死を誇りに思って」
そんな言葉では、何も癒せない。
蘭子の感情が爆発したあと、カメラはのぶの揺れる背中と、何もできずに見つめる嵩の目線を切り取ります。
3人の思いは、交わらない。でも、確かに繋がっている——
そんな“家族の温度”を、私たちは見せつけられたのです。
「パンの香りがした」——草吉の言葉に宿る“記憶の力”
のぶと次郎の祝言の前日、草吉（阿部サダヲ）がふと口にした一言。
「昨日、道を歩いてたらさ……パンの香りがした」
それは彼が昔、東京でパン職人として生きていた記憶。
パンは、ただの食べ物じゃない。“記憶を呼び起こす装置”なんだと、教えてくれた場面でした。
のぶの門出を前に、草吉の中でもまた、何かが始まりかけている——そんな空気が、さりげなく描かれていました。
【ネタバレ注意】第8週の結末は？のぶと次郎、嵩の未来
のぶが選んだ“家族としての幸せ”
次郎からの「10年でも20年でも待つ」という言葉に、のぶの心がゆっくりとほぐれていく——
「誰かのそばで、穏やかに生きたい」という想いを、初めて自分の言葉にしたのぶ。
結婚という選択は、“恋愛”というより“共にあること”への決意でした。
祝言の朝、少し照れたように笑うのぶの姿に、視聴者の多くが胸を打たれました。
嵩の未完成な想いが、創作の原動力になる
一方、嵩はその知らせを東京で受け取り、描きかけだった一枚の絵を見つめ直す。
完成させられなかった、のぶの肖像。
けれど彼は、そのキャンバスに新しい筆を置きました。
「この想いが終わるなら、描き切ってしまいたい」——
のぶへの未練、それは彼の芸術の“燃料”になるのです。
報われなかった恋は、創作の中で、生き続ける。
まとめ：別れは、次の「はじまり」になる
第8週は、まるで静かな嵐のようでした。
強く吹き抜けた感情の風が、それぞれの人生に変化をもたらしていく——
のぶは“家族になる”という未来を選び、蘭子は喪失を受け入れ始め、嵩は筆を取り直す。
誰もが「答え」を持っているわけじゃない。
でも、それでも生きていくという姿が、朝の時間に沁み渡りました。
そして、こう思った人も多いはず。
「こんなふうに、誰かを想えたらいいのに」って。
『あんぱん』は、ただの物語じゃない。
それは、私たちが見過ごしてきた感情を、そっと拾い上げてくれる“パン”のような存在なのかもしれません。
次週、どんな風が吹くのか——
また一緒に、朝を迎えましょう。
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