静かに、でも確実に心を掴んでくる――。
白石聖という女優の名前を、最近やたらと聞くようになった。主演じゃなくても、ちょっとした脇役でも、どこか印象に残る。そう感じている人も少なくないだろう。
2016年にデビューして以来、透明感と芯の強さが共存する演技でじわじわと注目を集めてきた彼女は、2025年にはついに大河ドラマの主要キャストに抜擢され、いま最も“演技の深まり”が期待される女優のひとりだ。
この記事では、そんな白石聖さんの出演ドラマを、デビュー作から最新話題作まで一挙に紹介。どの作品で彼女がどんな表情を見せてきたのか、そしてこれからどんな女優になっていくのか。その軌跡をたどっていこう。
白石聖のデビュー作と初期の出演ドラマ
2016年:デビュー年の印象的な役柄
白石聖さんのドラマデビューは、2016年の『AKBラブナイト 恋工場』(テレビ朝日)。このオムニバス形式の作品で、彼女はリカという役を演じ、“初々しさの中にあるリアルな感情”が視聴者の心をそっと揺らした。
同年には、TBS系の学園ドラマ『仰げば尊し』にも出演。十亀聖役として、吹奏楽部の一員を演じる姿が印象に残っている人も多いだろう。“空気感”を支える演技力という評価が、ここから静かに広がっていった。
2017〜2018年:多彩なジャンルに挑戦した時期
2017年以降、白石さんは連続ドラマへの出演を重ねていく。『孤独のグルメ Season6』や『先に生まれただけの僕』など、ジャンルもキャラの温度感も違う現場で経験を積んだ。
中でも注目されたのが、2018年の『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ)。彼女が演じた藤堂真冬というキャラクターには、現代の若者が抱える葛藤がにじんでいた。
同年の『PRINCE OF LEGEND』では、恋愛×学園×イケメンという“王道少女漫画的世界観”の中で、ヒロインとしての存在感を発揮。このあたりから「白石聖」という名前が、10代~20代女性の間でも急速に広まり始める。
主演作で見せた白石聖の存在感
2019年:『I”s』や『恐怖新聞』での主演が話題に
2019年、白石聖さんはついに主演として大きな注目を浴びる。特に話題となったのが、桂正和の人気漫画を原作とした『I”s』(BSスカパー!)。ヒロイン・葦月伊織を演じた彼女は、“青春の痛みときらめき”をまっすぐに体現し、原作ファンからも高い評価を得た。
さらに、フジテレビ系で放送されたホラードラマ『恐怖新聞』では、主演・小野田詩弦役として登場。死と隣り合わせの緊張感を抱えながら成長していく少女を演じきり、「あの透明感の裏にある芯の強さは本物だ」と再認識させた。
2020〜2021年:幅広い演技力を発揮した作品群
2020年には『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日本テレビ系)で、政治家の娘という複雑な立場の佐島あずさ役を演じ、無垢なだけではない多面性を表現。
翌2021年には、MBSドラマ『ガールガンレディ』で再び主演に。フィクションと現実が交錯する世界観の中で、“日常に疲れた心に入り込むような柔らかさ”を持つキャラクターを見事に演じきった。
また同年の『推しの王子様』(フジテレビ)では、やや“お姉さん”ポジションの古河杏奈役に挑戦。キャリアを積んだ女性像にも自然に馴染む演技が、彼女の次なるステージを予感させた。
近年の話題作と注目の出演ドラマ
2023年:『幽☆遊☆白書』ほか漫画原作作品で存在感
2023年は、白石聖さんにとって“原作ファンが多い大作”への出演が目立った年となった。中でも話題を集めたのが、Netflixで配信された実写版『幽☆遊☆白書』での雪村螢子役だ。
アニメでの印象が強いキャラクターだけに、その再現度や解釈には注目が集まったが、白石さんは「螢子らしさ」を失わずに今っぽさを添える絶妙なバランスで演じ切った。「白石聖って、意外と肝が据わってるよね」と感じさせた作品でもある。
また、TBS系の『フェルマーの料理』では、料理の世界に挑む若者たちの中で、現実的な視点を持つ魚見亜由役を好演。“空気を読む優しさ”と“譲れない意志”が同居する人物像に説得力を与えた。
2024年:『新空港占拠』など、シリアス系への挑戦
翌2024年には、『新空港占拠』(日本テレビ)で岩槻澪役を演じ、サスペンス要素の強いストーリーの中でも存在感を放つ。緊迫した空間での人間模様を描く中、白石さんは“一歩引いた視点から全体を見ている”役どころを担い、視聴者の視線を誘導するポジションを見事に演じた。
同年放送の『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』(テレビ東京)では、加賀見灯役として“正義”と“理想”の狭間に立つ人物を演じ、また一つ演技の幅を広げた。
そして、スペシャルドラマ『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』では、妹・朱雀役として登場。アクションや心理戦など新たな挑戦にも果敢に取り組む姿が印象的だった。
2025年最新作|『私の夫と結婚して』で見せる新境地
Prime Videoでの注目作、役柄と演技の見どころ
2025年、白石聖さんが出演する最新作は、Prime Videoで配信予定の『私の夫と結婚して』。韓国の人気Web漫画を原作としたこの作品で、彼女は江坂麗奈というキーパーソンを演じる。
この役は、主人公の“親友”というポジションでありながら、物語が進むにつれてその関係性が大きく揺らいでいく――まさに「裏切り」と「再生」がテーマの中核を担うキャラクターだ。
白石さんはこれまで「透明感」や「素直さ」が持ち味とされてきたが、本作では“嫉妬”“罪悪感”“偽りの優しさ”といった、もっと生々しい感情を剥き出しにする必要がある。だからこそ、「女優・白石聖の変化点」としてこの作品に注目が集まっている。
Prime Videoという世界配信の場で、彼女がどんな新たな表情を見せるのか。今後のキャリアを占う1作として、ぜひ見逃さないでほしい。
大河ドラマ『豊臣兄弟!』出演の背景と注目ポイント
永野芽郁の降板と白石聖の代役決定の経緯
2026年放送予定のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』では、永野芽郁さんがスキャンダルの影響で出演を辞退。その代役として、白石聖さんが抜擢されるという“緊急キャスティング”が話題を呼びました。
永野さんの降板理由は、俳優・田中圭さんとの不倫疑惑報道に端を発するもの。所属事務所がNHKに出演辞退を申し入れ、NHKもそれを了承する形で正式に降板が発表されました。
その直後に発表されたのが、白石聖さんの代役決定。大河ドラマは彼女にとって初挑戦となる舞台。しかも、準ヒロイン級のポジションということで、まさに大抜擢です。
大河初出演の期待と役柄の見どころ
白石さんが演じるのは、豊臣秀長の幼なじみであり、初恋の人という「直(なお)」というキャラクター。
この役は、戦国の混乱の中で「家族」と「恋心」の間に揺れる複雑な内面を持つ人物。白石さんの持つ繊細な表情と感情のレイヤーを重ねる演技が、存分に活かされると期待されています。
“代役”という立場のプレッシャーもある中で、白石さんがこの役にどう向き合い、どんな物語を届けてくれるのか。これまで積み上げてきたキャリアと、これからの飛躍――すべてがこの1本に詰まっている気がします。
まとめ|白石聖の“これまで”と“これから”に注目
白石聖さんは、デビュー当初から着実にキャリアを重ね、主演・ヒロイン・脇役すべての立場で“印象に残る女優”としての地位を築いてきました。
清楚で透明感のあるイメージの裏に、葛藤や毒、そして愛情の深さまでも演じきる強さがある。それは、ただ“きれい”というだけでは語れない女優の本質だと感じます。
2025年の『私の夫と結婚して』や、2026年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』といった大型作品を通して、彼女は間違いなく次のステージへと進もうとしています。
今後、もっと大胆に、もっと繊細に、“白石聖という物語”が広がっていくのを、これからも見守っていきたいですね。
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